農地は、制限の度合いや所在地によって下記区分にわかれており、どの区分に属する農地であるかによって、評価方法が異なります。農地が純農地、中間農地なら倍率方式で計算します。農地が市街地農地、市街地周辺農地なら「宅地比準方式」で計算します。宅地比準方式とは、農地がもし宅地だった場合を想定して計算するものです。
農地については、農地法等により宅地への転用が制限されており、また、都市計画等により地価事情も異なりますので、これらを考慮して、農地の価額は次の四種類に区分して評価します。
※ 原則として農地は、都道府県知事の許可がないと、転用や譲渡はできません。
1. 純農地
2. 中間農地
3. 市街地周辺農地
4. 市街地農地
純農地及び中間農地の評価は、倍率方式によって評価します。倍率方式とは、その農地の固定資産税評価額に、国税局長が定める一定の倍率を掛けて評価する方法をいいます。
市街地周辺農地の評価は、その農地が市街地農地であるとした場合の価額の80%に相当する金額によって評価します。
市街地農地の評価は、宅地比準方式又は倍率方式により評価します。宅地比準方式とは、その農地が宅地であるとした場合の価額からその農地を宅地に転用する場合にかかる造成費に相当する金額を控除した金額により評価する方法をいいます。
これを算式で示すと次のとおりです。
上記算式の「その農地が宅地であるとした場合の1u当たりの価額」は、具体的には、路線価方式により評価する地域にあっては、その路線価により、また倍率地域にあっては、評価しようとする農地に最も近接し、かつ、道路からの位置や形状等が最も類似する宅地の評価額を基として計算することになります。
また、「1u当たりの造成費の金額」は、整地、土盛り又は土止めに要する費用の額がおおむね同一と認められる地域ごとに、国税局長が定めています。宅地造成費は税務署又は税務相談室にお尋ねください。
農地として貸してある土地の評価は、自用の農地としての価額から耕作権や永小作権の価額を引いて行います。耕作権割合は、ほぼ35〜50%の範囲で、各国税局ごとに定められています。
※ 永小作権は、小作料を払って他人の土地で耕作または、牧畜をする権利。
生産緑地の価額は、その土地が生産緑地でないものとして評価した価額から、その価額に次に掲げる生産緑地の別に、それぞれの割合を掛けて算出した金額を控除した金額により評価します。
算式で示すと次のとおりです。
(1)課税時期において市町村長に対し買取りの申出をすることができない生産緑地
この場合は、課税時期から買取りの申出をすることができる日までの期間に応じて、それぞれ次のとおり割合が定められています。
課税時期において買取りの申出ができない生産緑地の場合の割合表
課税時期から買取りの申出をすることが できることとなる日までの期間 |
割 合 |
5年以下のもの | 10/100 |
5年を超え10年以下のもの | 15/100 |
10年を超え15年以下のもの | 20/100 |
15年を超え20年以下のもの | 25/100 |
20年を超え25年以下のもの | 30/100 |
25年を超え30年以下のもの | 35/100 |
(2)課税時期において市町村長に対し買取りの申出が行われていた生産緑地又は買取りの申出をすることができる生産緑地
5/100