ここでの低収益物件の再生とは、空室が埋まらない古ビルを賃貸住宅にコンバーション(用途転換)するといった大がかりなものではありません。
空室だらけの古アパートなどを大幅なリフォームなしにゲストハウスとして活用したり、空室率が高く、収益性の悪いマンションを対策を打つことにより、収益性の良いマンションに再生すると言った既存物件に手を加える(対策を打つ)事により、再生(収益性を高める)する事をいいます。
今後、住宅供給が過剰になる中でのアパート・マンション経営において、益々その重要性は高くなってくると思われます。
一般的に人気エリアを除き、空室が増え、家賃が下がっている傾向があります。しかし、ただ家賃を下げて入居者を獲得すればいいというわけでもありません。管理会社のいわれるがまま家賃を下げ稼働率を高めたまでは良かったものの、90%の稼働率でも収支が赤字になってしまったというケースもあります。
家賃を下げる→入居者の質が悪くなる→入居者のマナーも低下→滞納者が増える(家賃が回収できない)→収支が赤字→修繕などが十分にできない→マンションの質が悪くなる→新しい入居者が決まらない。という悪循環に陥いらないように気をつけましょう。
募集方法を見直して、場合によっては、家賃を下げざるを得ない状況もありますが、いかに入居者にとって質の良い(満足度の高い)マンションにするかという事が大事なポイントになってきます。
支出の削減(徹底した管理費の削減、ローン買い換えによる借入金負担の軽減)などと合わせ、総合的な対策を講じる事により再生させる事が可能です。
相続が発生したら古アパートの相続税は、高額な課税がされるのに喚金性が低いので売却も出来ず、さらには物納するにも受領されないといった、大変困った事態になることが予想されます。こうした古アパートを優良化していくには、収益適正物件に転換する、もしくは更地化する方法しかありません。
ゲストハウスは、日本ではあまり聞き慣れない言葉ですが、外国では手軽に入居できる生活空間として若者を中心に人気を呼んでいます。
ベッドルームは個室になりますが、リビング・キッチン・トイレ・シャワーなどが共用になる分、アパートやマンションより家賃が割安になります。リビングでは世界各国の若者が集い、アットホームな雰囲気で異文化交流を楽しんでいます。
物価の高い東京で生活するための、この新しい住居スタイルは在日外国人の間で定着しつつあります。最近は専門に取り扱っている業者も多くなり、専門業者が大家様の物件をオペレーションして手数料を支払うケースや一括借り上げ方式などいくつかの方法があります。
借家人の立退きについて、話し合いによるか、法律の判断を仰ぐかは、家主と借家人の客観的な事情と、家主さんが提供する立退き料の額によって決めることが出来ます。
明け渡し訴訟を起こしても、必ず負けてしまうと思われるときは、、借家人の言い分をかなり聞かざるを得ません。反対に訴訟を起こしたら勝ちそうだと思うなら、借家人の言い分、即ち立退き料の額が訴訟にかかると思われる諸費用の範囲内であったなら、その立退き料で同意すればいいわけです。
一般的に古アパートの立退き料は1室で10万円〜100万円程度と言われています。しかし、法律による取り決めがあるわけではなく、あくまで家主さんのビジネスライクな判断と、人情面の我慢の限度が立退き料を決めます。実際には、家主に言われて立退き料を要求せずに素直に立退く人ともいますし、一方では非常識に法外な金額を要求する借家人もいます。
これはやって見なければわからない面があります。しかし、客観的に冷静に考えて、家主にメリットがある場合には、その要求をのむべきです。先に申し述べましたように、立退き料はつまるところお金を出す家主さんが我慢できる金額が限度です。
老朽化した建物の倒壊が原因で、借地人、第三者に損害を与えた場合、その損害を賠償しなければなりませんので、古アパートは、所有者としての損害賠償責任が発生する可能性が高いともいえます。
1.土地の工作物の設置又は保存に瑕疵あるに因りて他人に損害を生じたるときは其工作物の占有者は被害者に対して損害賠償の責に任ず。但占有者が損害の発生を防止するに必要なる注意を為したるときは其損害は所有者これを賠償することを要す。