2017/05/16

なぜ、地主さんは多額の借金をして安易にアパートを建ててしまうのか?【相続対策ch】相談相手#6

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地主さんが多額の借金をして安易にアパートを建ててしまう理由は、「空地にしておくのがもったいない」「固定資産税が大変」「駐車場が空いてきた」「収入を上げたい」「相続対策になる」「家賃保証(サブリース)がある」「みんなやっているからなんとなく安心」「誰でもできるから」そして、「業者(建築会社など)に提案された」。だいたいこんな所ではないでしょうか。

なぜ、セールスマンは「全額借入でアパートの建築」を提案するのでしょうか? 実は、経験豊富な営業マン、建てさせる側の人間からすると8%程度の表面利回りでは、すべて借入での資金計画では将来家賃下落時に収支が苦しくなることが分かっています。しかし、全額借入でも大丈夫と言い切ったほうが「建ててもらいやすい」からです。“土地を売却して自己資金を作りましょう”と言わないだけで、地主さんの抵抗感は少なくなります。

『30年一括借り上げ(サブリース)』の仕組みそのものが、建ててもらいやすくするための仕組みと言ってよいでしょう。アパート経営における最大の不安は、入居者が入らない=空室です。そこでサブリースで、“空室を保証します。30年間一括で借り上げます”とアピールし、安心してもらうわけです。しかし、サブリースは空室でも家賃は保証されますが、いずれ保証家賃は下がります。そして、30年一括借り上げの契約を謳いつつ、サブリース会社からの一方的な解約が可能なことや、家賃の値下げに合意しない場合、契約が解約できるといった契約内容になっています。30年間の安心など、実際はまったく保証されていません。この点については「やってはいけない相続対策編#4~5」動画にて詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

地主さんのアパート建築にかかる不安や抵抗感をおさえ、「土地を有効活用したい、相続税を減らしたい」という地主さんの気持ちに付け入ることで、大きな借金を抱えてでもアパート建設を決断させてしまうのです。建築会社やハウスメーカーは建ててもらうことだけが目的(成果)で、彼らにとっての相続対策は口実にすぎません。上手い話を鵜呑みにせず、客観的な立場で長期的な収支予測等を検証できる専門家に相談するようにしましょう。

動画URL:https://youtu.be/hzzPDlfYR3E?list=PL4SLxb31faRKUk-Hg1H-EfJ5Fm1qJ8s1I

 

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