2017/05/18

地主が所有する底地の収益性と相続税の関係を知る【相続対策ch】底地対策#2

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

前回動画「相続税の高い地主にとって「底地=不良資産」なのか?」では、底地を多く持つ地主さんの相続対策において大きな問題となるのは、「相続税率の高い地主さんに相続が発生した時」と解説しました。引き続き大田区の平均的な地代(800円/坪)の底地(30坪)を所有する地主さんのケースで解説します。

土地を貸して得られる収入(地代)は1ヶ月24,000円、年間288,000円です。対する固定資産税は、年間80,000円とします。つまり底地の純収益は年間208,000円です。
算出基準は「時価4,500万円(坪150万円)」が前提ですが、公示価格水準は実態に合わせて4,000万円(坪約134万円)、路線価(相続税評価額)水準で3,200万円(坪約107万円、路線価㎡あたり約324,000円)で試算しています。

借地権が60%の地域では底地評価は40%。底地の相続税評価額は3,200万円の40%=280万円です。貸している土地の相続税評価額が1,280万円と言う事です。地主さんの相続税率が50%の場合、底地にかかる相続税は、1,280万円の50%=640万円。純収益が年間208,000円に対して、相続税640万円÷年間の純収益208,000円=約31。

つまり、土地にかかる相続税を回収するには、31年もかかるということです。実際にはこの試算を下回るケースも多く、仮に坪600円なら年間の純収益は年間136,000円、640万円÷136,000円=47.05 約47年と、さらに伸びます。地代の値上げはとても困難ですから、安い地代のまま放置されているケースが多く、地主さんにとって底地を所有するメリットがほとんどないケースもあります。極端に地代が低い場合、相続税を考えればまさしく「不良資産」です。

仮に30坪の底地を30ヵ所所有していたとします。相続税率50%だと、1ヵ所の相続税が640万円なので、30ヵ所だと約2億円の相続税がかかります。つまり相続時に2億円の納税資金が必要ですが、買い手が限られる底地は急いで売却すると買い叩かれたり、買い手がつかないこともあります。

メリットの少ない底地の相続税資金のために、他の良い土地や不動産を売るハメになる・・・
「相続税率の高い地主に相続が発生した時」には、こうしたケースが多いのです。

動画URL:https://youtu.be/uOQehpb7zOE?list=PL4SLxb31faRJqLKbkJ433OE50xOh6lzSz

関連記事

コメントを残す

*