現在、「相続対策」がブームと言える状況です。2015年からの相続税の増税に向けて、昨年まで大流行りした相続対策向けセミナーは今年も変わらず人気で、相続対策への関心度は引き続き高いようです。
・相続税が少し発生する1億円くらいの財産規模の方
・地主さんや企業オーナーなどの資産家で、あきらかに多額の相続税がかかる方
これらの方々にとって、実行する相続対策はそれぞれ異なります。しかし財産規模の違いはあれど相続税を減らしたい、節税したいと言う思いは共通です。特に相続税負担の高い資産家などに根強い需要があるのが、相続税対策としての「収益物件の購入」です。2015年現在、完全な売り手市場であり、売り物件が少なく、少し立地が良ければ築25年以上経った1棟もののマンションや事務所ビルが信じられないほどの価格(利回りで5%程度)でも売れています。
相続対策向けの収益不動産に限っていえば、2007年の不動産ミニバブル時に匹敵するくらいの状況です。最近は、湾岸エリアを中心としたタワーマンション市場も一棟の収益不動産市場と同様、異次元の価格に突入しています。一部のエリアでは、2007年のミニバブル崩壊前の価格水準、新・新価格を超えてきました。
2014年に分譲された立川駅直結のタワーマンション「プラウドタワー立川」が専有面積の坪単価が340万円(3LDK20坪だと約7000万円)を超えていたにもかかわらず早々に完売した件は有名ですが、2015年5月現在、分譲中の港区「パークコート赤坂桜坂」は坪700万円(2LDK20坪で1億4000万円)ですが、売れ行きは好調のようです。
これらのマンションは新「億ション」と呼ばれ、買い手は実際の住まいとしての購入者、(実需)以外に、アジア系の海外投資家、日本の個人投資家、そして、相続税対策として購入する富裕層が多くなっています。
個人的に、新「億ション」を1棟ものの収益不動産と同じカテゴリに入れるのは少し違和感がありますが、いずれにせよ収益不動産市場は、今ミニバブル期に匹敵するほど活況を呈しています。
不動産市況を振り返る為、公示価格の推移をもう一度見てみましょう。東京都主要地区の2004年からの公示価格の推移です。実際の市況の動きから1年近く遅れます。例えば、公示価格の直近のピークは2008年になっていますが、当時実際に不動産市況が天井を迎えたのは2007年の夏~秋頃です。その後、リーマンショックが追い打ちをかけ2012年頃が底(公示価格では2013年)となり、上昇に転じています。
公示価格の上では、まだ不動産ミニバブル(2007年から8年)頃の価格にはなっていませんが、都心部の収益不動産に限れば、不動産ミニバブル時に匹敵するような価格となっています。
動画URL:https://youtu.be/nnmsm1LxMYU?list=PL4SLxb31faRKxZdzHL-ZAj-kW2_l0ACfd