2013/05/13

「サービス付き高齢者むけ住宅」有効活用の注意点がダイヤモンドの記事になりました。

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先週のブログにも少し書きましたが、先月4月22日発売の週刊ダイヤモンド4/27・5/4合併号のP68~P69に、私が最近セミナーなどでも取り上げている「サービス付き高齢者向け住宅」の有効活用における注意点が『土地活用でサ高住提案が急増、建築会社の甘い試算は要注意』という見出しで取り上げられました。

その内容について記事に書かれなかった点などを含め書いてみたいと思います。

この「サービス付き高齢者向け住宅」の有効活用もやはり“相続対策”として提案される事が多く、運営事業者が賃貸住宅部分と併設するデイサービスなどの介護関係施設部分を一括して借り上げ(サブリース)家賃を保証する契約となっていることもあり、やはり資金計画は全額借入での事業計画が目立ちます。

私は、賃貸住宅の有効活用においても全額借入での建築は、好立地でない限り、将来の家賃下落、修繕費負担、税金負担などを考えると儲かないどころか、逆に将来的にキャッシュフローが回らなくなる事がある為、やってはいけないと指導しています。

ただ相続が近いと推定され、相続後に土地を売却し借入金を繰り上げ返済できる余力がある場合は、相続税効果を最大限得るため一時的に全額借入で建築する事はあります。

週刊ダイヤモンドの見出しは、‘建築会社の甘い試算は要注意’となっていますが、建築会社の甘い試算は、「サービス付き高齢者向け住宅」の有効活用に限った事ではなく、一般の賃貸住宅(アパート・マンション)でも同じです。

「サービス付き高齢者向け住宅」の有効活用における最大のリスクは、“運営事業者(介護事業者)”次第でその有効活用の運命が決まる点です。

そもそも構造的に利回りの低い有効活用である為、収入の安定性=“運営事業者の良し悪し”がなにより最重要となります。

多くの提案の場合、建築会社などからの提案段階で“運営事業者”はセットされており、“運営事業者”選びが厳格に行われておらず、提案者サイドの説明(大丈夫です?)だけとなっています。

最近ブームとなっている「サービス付き高齢者向け住宅」は新規参入組が多いだけでなく、その制度の特徴からサービスの提供に大きなバラツキがあり市場での評価もまだ確立しているとは言えません。

運よく、最初にセットされていた“運営事業者”が良い事業者であれば良いかもしれませんが、もし“運営事業者”の評判が悪く、入居者が集まらなかった場合、家賃が下がるだけでなく、最悪撤退という事もあります(現に前制度の高齢者専用賃貸住宅でそのような事例が多くありました)。その場合、新しい運営事業者を捜さなければならなく、大幅に家賃を下げないと後継事業者が決まらない事もあります。

この(サ高住の)有効活用も、サブリース(家賃保証)契約が基本となっていますが、サブリース契約は、本ブログの“サブリース契約の問題点を考える”にもあるように収入の安定を保証できるものではありません。

さきほど、そもそも利回りの低い有効活用と書きましたが、その部分についてもう少し詳しく説明します。

「サービス付き高齢者向け住宅」は、その名前の通りあくまでも“住宅”であり介護施設である「介護付き有料老人ホーム(特定施設)」とは、介護事業による収益構造が違い、また介護度の低い入居者が多く介護事業の収益が高くなく、不動産のサブリース収益(転貸収入)に依存する部分もあるため、貸主である建築主(土地・建物所有者)の賃料収入は高くなりにくいのです。

また、今はまだ制度が始まったばかりで、目標の60万戸に対し、109,239戸(平成25年3月末現在)と戸数も多くありませんし、「介護付き有料老人ホーム(特定施設)」のように総量規制がないため、今後どんどん戸数が増えて行き、入居者獲得の為の家賃値下げ競争になる可能性があります。そもそも“住宅”なので、家賃については、一般の賃貸住宅と同じく下落する事を想定しておく必要があります。

そこで、冒頭の事業収支の話が重要になってきます。

週刊ダイヤモンドに掲載された“すさんな予測収支にだまされるな”の部分と、その記事の元になっている私の「正確な」予測収支をもう少し掲載します。


そして、これが↓ダイヤモンド記事の元となっている収支シミュレーションです。

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