2017/05/18

借金をするから相続税が減るのではない【相続対策ch】相続税申告#2

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“借金すれば相続財産が減る”というのは、勘違いです。
「借金をしてアパートを建てると相続税が安くなる」という事実と、「借金はマイナス財産なので、相続財産が減る」と思っておられるようです。
わかりやすく説明してみましょう。1億円を銀行からお金を借りました。手元に1億円あります。借金してマイナス財産は1億円ですが、手元に現金1億円入ってプラス財産になりますので、プラスマイナス0円です。借金をしても相続財産は減りません。なぜ借金をしてアパートを建てると相続税が安くなるか? それは「借金のマイナスの額に対して、プラスの財産額が少なくなる」ためです。

具体的に数字を使って説明しましょう。

・相続税評価額が1億円の土地(駐車場)に、
銀行から1億円を借りて、アパートを建てた場合

なにもしなければ、土地の相続税の評価額は1億円です。そこに1億円を借りて、アパートを建てると建物の固定資産税評価額は50~60%程度になります。仮に60%=6,000万円としましょう。
アパートは貸家の評価なので、相続税評価額は建物の固定資産税評価額の70%となり、建物の相続税評価額は6000万円の70%=4,200万円になります。
土地は貸家建付地の評価となり、地域によってだいたい79~82%の評価となります。仮に80%として1億円の80%=土地の相続税評価額が8,000万円とします。
建物4,200万円+土地8,000万円=1億2,200万円、そこから1億円の借金をマイナスして合計2,200万円となり、アパートの土地建物+借金で、相続税評価額は2,200万円となります。
仮に相続税の計算上、各相続人の相続税率が50%を超えている場合、1億円の駐車場にかかる相続税額は(1億円の50%の)5,000万円となりますが、アパートにすれば(2,200万円の50%の)1,100万円で済みます。

これが「相続税評価額が下がり、相続税が安くなる」仕組みです。決して“借金があるから相続税が安くなっている”わけではありません。

相続税の節税効果はありますが、借金による安易なアパート建築は注意しなければなりません。今後、賃貸需要層の人口は減少し、おのずと家賃も下落します。借入中心の資金計画では将来的にキャッシュフロー(収支)が回らなくなります。相続税対策のためにアパートを建てようとしている方は、決して目先の相続税の節税効果だけなく、後に残されるご家族、相続人への配慮が書かせません。

客観的に将来の事業収支のチェックや総合的な相続対策のアドバイスができる、弊社のようなプロの専門家に相談することをおすすします。

動画URL:https://youtu.be/_O7r-O4bM6o?list=PL4SLxb31faRI_irvoV5Qig8FUe8Tmpa9n

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