2017/05/18

勘違いしている事が多い相続税の計算方法【相続対策ch】相続税申告#1

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“自分が死んだら、相続税はどのくらいだろう?”
この数字を、正確に把握している人は少ないです。

国税庁のホームページに掲載されている相続税の速算表によると「3億円以下=税率45%」とあります。確かに、自身に財産が3億円とすると、45%の相続税がかかると勘違いされている方がたまにいらっしゃいます。
「やる必要のない相続対策編#8」の事例で、相続税を気にしていた方がハウスメーカーの営業マンに自宅の土地は路線価評価でも2億2,000万円もあると聞かされ、相続税対策にとアパートと二世帯住宅を全額借金で建てそう(建てさせられそう?)になったケースを紹介しましたが、とかく相続税を過剰に気にされている方は多いです。万が一の場合に備え、正確な相続税額を知っておきたいものです。

正しい相続税の計算方法ですが、あくまでも法定相続人ごとの税額を合計したものが相続税の総額となります。例を使って計算してみましょう。

・相続財産の総額:4億4,800万円(正味の遺産総額)
・相続人:妻と子供2人

1.4億4,800万円から相続税の基礎控除額4,800万円(3,000万円+600万円×3人分)を差し引いた金額=課税遺産総額の4億円
2.課税遺産総額に対する各相続人の法定相続分の金額 妻:4億円の二分の一=2億円
子供:1人が4億円の二分の一の二分の一=1億円
3.それぞれの法定相続分に対する相続税 妻:2億円の×40%から控除額の1,700万円を引いて=6,300万円
子供:1人分は1億円の×30%から控除額の700万円を引いて=2,300万円、2人分で4,600万円、相続税の総額は1億900万円
しかし、妻が財産の半分以上を相続すれば、配偶者の税額の軽減(1億6千万円か配偶者の法定相続分相当額のどちらか多い金額までは配偶者に相続税はかからないという制度)できるので、相続税の額は1億900万円の50%=5,450万円
4.実際に財産を相続した割合が、妻が40%、子供が30%ずつだった場合、
妻の相続税額=0円(50%以下のため)
しかし、子供1人の相続税額は1億900万円の30%=3,270万円×2人=6,540万円と、母が半分相続した時よりは相続税額が高くなります。

【注意】
相続税の計算に使う相続税率は、あくまでも相続人1人ずつ、法定相続分ごとに計算する際の税率であり、相続財産の総額に相続税率をかけるものではありません。

動画URL:https://youtu.be/rXocu3kou_Q?list=PL4SLxb31faRI_irvoV5Qig8FUe8Tmpa9n

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