「一時払い終身保険」が人気です。保険会社だけでなく銀行の窓口でも積極的に販売されています。平成27年から相続税の基礎控除額が引き下げられ、相続税の対象者が増える点を営業トークでアピールすることもあり、「一時払いの終身保険が売れすぎて、販売を停止する可能性もある」という新聞報道も出ました。
一時払い終身保険とは、「一括で保険料を支払う終身保険」です。月払いや年払いに比べて保険料を安く抑えることができる他、「相続税対策にも利用できる」、「銀行の定期預金より利回りが良く、株や投資信託より安心」と、近年人気の保険商品になっています。
しかし、果たして本当にそんなにお得なのでしょうか?
・注意点
最大のリスクは「早期解約による元本割れリスク」です。最近では販売時にリスクの説明しているようですが、まだまだ銀行に預けるより有利な商品だと思って加入している方も多いのではないでしょうか?
また、保険会社、商品によってパフォーマンスにはかなりの差があり、元本割れにおけるリスクの度合い、解約返戻金の額なども異なります。にもかかわらず、多くの場合は、死亡保険金の非課税限度額のメリットや銀行預金より利回りが良い点などを強調され、他社商品との比較を十分に行わずに一時払い終身保険に加入するケースが多いと思われます。相続税対策としてのメリット=生命保険の非課税限度額についても、実際に相続税がかかるのか知らぬまま、「相続税の増税で相続税が心配」と安易に加入しています。こうした安易な判断だと、いざお金が必要になり解約したら元本割れ、結局は損をすることになりかねません。生命保険の加入の目的を明らかにし、その必要が本当にあるのかをよく見極めてください。
動画URL:https://youtu.be/cCf4puZpkEQ?list=PL4SLxb31faRKA9ux4FuSh5DNLyTsefD9j