相続対策としての保険の活用方法のひとつに、「保険料を子供や配偶者(相続人予定者)に贈与して、そのお金で自分に生命保険を掛けてもらう」という方法があります。
例)父親(被相続人対象者)が保険料を子供に贈与し、子供が自身を受取人として保険料を支払えば、贈与した父親(被相続人対象者)が死亡しても、受け取った保険金については相続財産に含まれません。受け取った保険金に相続税は課税されませんし、贈与した金額が贈与税の非課税枠110万円以内であれば、贈与税も発生しません。
ただし、受け取った保険金は一時所得=所得税の対象となりますが、保険金から払込保険料総額と50万円を引いた金額の2分の1が総合課税の対象となるので、比較的税負担も軽くなります。
【(保険金-払込保険料総額-50万円)×1/2=総合課税の課税所得金額】
父親が亡くなった場合の相続税の税率が高い場合などは、税金的なメリットも大きい場合が多いので、納税資金対策としても有効です。
保険料の贈与をする場合の注意点としては、
1. できるだけ毎年、贈与契約書を取り交す(ただし、毎年同額にならないよう工夫するなど、定期贈与契約とみなされないよう注意が必要)
2. 贈与額が110万円以上であれば、贈与税の申告書を提出する
3. 生命保険料については、贈与者(例えば親)の生命保険料控除としない
4. 贈与を受ける人が日常使用している預金口座に現金を振込み、その口座から保険料を支出する
これは保険料の贈与に限った事ではありません。例えば、親が子供に現金を贈与する場合、「親が子供の預金口座を管理=子供が使用している実態が見えない」と、名義預金とみなされる恐れがあります。贈与を受ける人が日常使用している生活口座が好ましいでしょう。税務署側の事務連絡文には、“贈与の事実が認定できるものなどから、贈与事実の心証が得られたものは、これを認めることとする”とあります。
動画URL:https://youtu.be/HF6psfE7x1w?list=PL4SLxb31faRKA9ux4FuSh5DNLyTsefD9j