2017/05/18

【相続対策の失敗事例】多くは、やはりやりすぎ・・・その2【相続対策ch】失敗成功事例#11

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その他の失敗事例の2つ目は、生前に納税地(土地)を整備(道路整備や宅地化)した為、広大地使えず評価額がUPしたと言う失敗事例です。
こういう内容です。大きな生産緑地をお持ちの方でした。この土地は相続が発生したら、売却して相続税を払う為の土地、よく言う納税地でした。東京の良い場所でしたので、路線価も高く、広大地評価で評価しても約5億円になる土地です。
良い場所でしたが、少し道路付けの悪い土地だった為、この方は、自分に相続が発生した後に残された相続人が売却するのに困ってはいけないと考え、役所などと相談し、道路を入れる事にしました。
確かに道路付けの良い土地になったので、売却の心配はなくなりました。
が、しかし、相続税評価額が大幅に上がってしまったのです。道路を入れてしまった為、広大地評価が使えず、評価額が9億円になってしまったのです。一気に1.8倍、額にして4億円のアップです。相続税率が約40%の方でしたので、相続税で1億6000万円の増加となります。
無道路の土地であれば、生前に対策を行い、隣地を購入したり隣地の方に土地の一部を交換してもらったりして、売却できるようにしておく事は非常にメリットがあります。しかし、この事例のような場合(相続後に、普通に開発行為で宅地造成できるような土地の場合)は、メリットよりデメリットの方が大きく、完全に失敗と言えるでしょう。
後に残された子供達が苦労しないようにとの気持ちからなのでしょうが、少しやりすぎです。似たような事例として、こういうのもありました。
図なので、わかりにくいですが、自宅の近くで、少し高低差がある土地で、切り土などをしないと家を建てられない土地でした。なにもしなければ、広大地評価が適用できる土地でしたので、相続税評価額は、2億2000万円でした。が、父親は、やはり相続の時に売却しやすいようにする為と、子供の家も建てられるようにと、道路を入れて、宅地としての区画割りまでやってしまいました。結果、相続税の評価額は1億円アップし、3億2000万円になってしまったという事例もありました。
私達のように、2代、3代にわたりお客様とおつきあいし、事前の相続対策から、相続後までしっかり対応できるアドバイザーがついていれば、ここまでやる事もなかったのでしょうが、心配性で、残される家族の事を思う気持ちが強すぎると、ついついやりすぎてしまうのだろうと思います。
つづいての相続対策のその他の失敗事例ですが、
生前贈与での代表的な失敗は、名義預金、子供名義の通帳にただお金を貯めるだけではダメ、
これは、税務調査でももっとも指摘される内容ですが、子供名義での預金です。最近は10年間くらい分の預金の動きを見られますので、ただ子供名義にしておくだけでは、名義預金として相続財産として加算されます。
次は、生命保険金の受取人指定の失敗(母が受取人では納税資金にならない、保険金は、遺留分には関係ないなど)もたまに見かけます。納税資金の為に生命保険に加入していたのに、受取人が配偶者(奥さん)になっていたために、子供の納税資金にならなかったケースや、長男に多くの財産を相続させようとして、生命保険金の受取人を二男にしていたのだが、二男は母親の気持ちを理解せず、生命保険金は遺産分割の対象外であると主張して、結局、遺産分割でもめたと言う事例もありました。本来なら、長男を受取人に指定して、遺産分割で、長男から代償金という形で二男にお金を渡すべきでした。

動画URL:https://youtu.be/WqXLn3kWTDA?list=PL4SLxb31faRI5SraOEZ4BycpGMjKA_GQp

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