2017/05/18

【相続対策の失敗事例】遺言書がなかったために何年も続いた遺産争い【相続対策ch】失敗成功事例#9

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失敗事例の紹介です。

・失敗事例1
古い話ですが、お客様に“遺言の作成”を提案した際、『うちは大丈夫! みな仲が良いしもめる訳がない』とのことで、強く勧めることができず遺言を作成しなかったことがありました。残念ながらお父様の思いは通じていませんでした。
お父様が亡くなった後の遺産分割で、ご二男が法定相続分を要求、遺産分割がもめにもめました。最終的にご長男が譲歩したので裁判沙汰は避けましたが、ご二男はそれ以来、実家の敷居をまたいでいません。この件以来、“うちは大丈夫”と言われても、保険代わりに遺言書を強く勧めるようになりました。
遺言書があっても相続人全員で遺産分割協議をまとめるのが一番です。税制や相続人の環境、経済の状況、相続財産の不動産の収益性なども変化するので、その時点のベストな遺産分割はそのときの事情で考えるべきです。相続人の間で遺産分割がまとまらない場合は、被相続人の意思、遺言書により遺産分割をすればいいでしょう。

・失敗事例2
「遺産分割がまとまらず調停となり、相続から3年10か月を超えてしまい特例も使えず」
これもかなり昔の話ですが、遺言書がなく、相続人どうしで遺産分割がまとまらず調停、審判、不服申し立てとなっていまいました。納税猶予はもちろん、決着がつくまで配偶者の税額軽減や小規模宅地の評価減といった特例が使えなかった事例です。
最近の調停は1年以内が目途ですが、審判結果に不満で高裁に不服申し立てとなれば、長期化しますので、精神的苦痛だけでなく経済的損失も増えてしまいます。
一般論として、一次相続より二次相続(母親が亡くなった場合の相続)の方がもめやすいと思います。一次相続の時は母が多くの財産を相続するので子供同士の争いも多少は防げるでしょう。しかし二次相続は財産をもらう最後の機会。そこに両親もいないため、お互いの主張だけでなく、それぞれの配偶者も口を出してくるというケースが多々あります。争いを最小限に抑えるという意味でも遺言書を残しておく事は重要だと考えています。しかし、遺言書が全てプラスの効果ばかりでない事も付け加えておきます。

・失敗事例3
「遺言書はあっても失敗に…不完全な遺言書が執行されてしまう」
税金の事が考慮されていない、小規模宅地の特例の適用ができない、二次相続まで考えていない、予備的遺言の記載がないため、故人の遺志が伝わらなかった・・・などいくつかの事例がありますが、信託銀行さんが遺言執行人となっている遺言信託で、やはり遺言執行が優先されて困ったという相談は過去数件ありました。

動画URL:https://youtu.be/w7yYPTLrW0o?list=PL4SLxb31faRI5SraOEZ4BycpGMjKA_GQp

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