<相続対策での失敗事例、有効活用の失敗・・・その土地に合った活用になっていない>
まずは、有効活用の失敗事例から説明していきますが、有効活用の失敗の多くは、「その土地に合った活用になっていないこと」が原因です。
・事例1
駅徒歩30分のロードサイド(道路沿いの)広い土地に大きな賃貸マンションを建て空室だらけ・・・
幹線道路を走っている時に、“どうしてこんな場所に大きな賃貸マンションを建てたのだろう?”と思うことはありませんか?
これは、その土地に合った活用になっていない最もわかりやすいパターンです。こういう立地は、まずコンビニや飲食店など店舗系の活用から考えるべきです。撤退リスクはあっても収益性がまったく違いますし、建築費用をテナントに立て替えさせる全額建築協力金方式なら借入リスクなしでの建築が可能です。
・事例2
郊外の駅徒歩20分超の立地に競争力UPの為、豪華仕様のマンションを建築したが・・・
最近はハウスメーカーのセールスマン自身があえて空室問題に触れる手法もあり、『他の物件と差別化する為に豪華な仕様で建築しましょう』と、言われるがまま建築したものの、結局、高い家賃も取れず、空室で困っているという状況です(建築会社は高い建築費の方がうれしい)。
確かに対象エリアに物件数が多く、競争が激しかったり立地条件が悪い場合、ほかの物件と差別化し魅力ある物件にする必要がありますが、大事なのは「キャッシュフロー(手残り)」です。
立地の悪いエリアで仕様を豪華にしただけで、簡単にほかの物件より高く貸せるものではありません、中にはピンポイントの需要(ニッチなターゲット顧客)を狙った企画ものというケースもありますが、安易に仕様だけ豪華にしても、それに見合う投資回収ができないどころか、借入中心で建築していれば赤字になり、キャッシュフローがまわらなくなってしまいます。
・事例3
サブリース(家賃保証)で賃貸マンション、10年後に20%の保証家賃下落の実態
これは別動画『サブリース問題、30年一括借り上げの甘いワナ』(リンクアドレス)で詳しく解説しています。サブリース、家賃保証は一定期間の家賃の保証機能はありますが、家賃の値下がりは防げません。数年前は管理戸数でトップを競っていた有名な一部上場企業であるアパート建築兼サブリース会社が、空室の増加により経営が行き詰まり、会社存続のためになりふりかまわず一方的にサブリース契約を解除したり、大幅な家賃値下げ(20%~30%)交渉を強引に行った結果、衆議院予算委員会で取り上げられました。その会社の物件では相変わらず大幅な家賃値下げ要求は続いていますが、他にも一般のサブリース契約でも2年ごとに毎回家賃が下落し、築20年も経たない前に家賃が20%下落したというケースもよくあります。
動画URL:https://youtu.be/yLrYkXi9dHo?list=PL4SLxb31faRI5SraOEZ4BycpGMjKA_GQp