2017/05/16

相続税増税最も影響を受けるのは誰?【相続対策ch】やる必要のない#2

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

まず注意すべきは、「今回の増税で最も影響が大きいのはどんな人か?」つまり、財産規模次第で影響に差が出ます。某新聞の「相続税対策に関する意識調査」によると、“検討中”を含めれば過半数が「相続税対策を考えている」との回答でした。結果の通り、今回の相続税の増税について皆さん非常に関心が高いようです。ただ、個人的には多くの方が相続税“大増税”に、過剰反応していると感じています。最近の相談傾向から想定すると、“必要以上に相続対策をやりすぎている”人が増えているような気がします。(いろいろと吹き込まれ過ぎか?)そもそも相続税負担が重い「課税価格が10億円超の資産家」にとって、今回の改正で増加した相続税は実質7%前後であり、大増税と煽りたてるほどではありません。

例)課税価格が10億円、相続人が配偶者(母)と子供2人の場合
基礎控除額は、改正前の8,000万円から4,800万円となり、基礎控除額だけなら40%の大幅減少ですが、実際の課税価格は10億円に対して3,200万、つまり「3.2%増のみ」です。この場合、基礎控除後の法定相続分1人あたりの課税価格は、お母さんが4億7,600万円(ただし相続財産の1/2以下なので非課税)。子供はそれぞれ2億3,800万円ですので、2億円を超えた3,800万円の部分の税率が今回の改正により40%から45%へと5%増加しますが、最高税率のUP(1人あたり6億円以上の部分)は影響しません。

つまり相続税の総額は…
改正前の1億6,650万円から1億7,810万円となり、1,160万円の増税ですが、もともと1億6,650万円ですので、増加率としては、約7%です。大増税と言えるかどうかは疑問が残ります。

…となると、今回の改正で最も影響が大きい人は?
ズバリ、これまで相続税がかからなかった「基礎控除前の課税価格が8,000万円~少し相続税が発生していた1億円を超えるくらいの方」ではないでしょうか。今回の相続税制の改正で、課税対象者は1.5~2倍に増加すると言われており、1億円前後の方は10億円超の資産家に比べると相続税の絶対額は小さいものの、増加率は非常に高いので、影響としては大きいと言えます。(“広く浅く”への方向転換!)

例1)「4人家族・課税価格8,000万円」
お父さんが亡くなった時(一次相続時)とお母さんが亡くなった時(二次相続時)の相続税の合計額は、改正前なら0円が、改正後は175万円に。

例2)「4人家族・課税価格1億円」
改正前の一・二次の相続税の合計額が100万円から、改正後は合計395万円と約4倍!これはもう大増税ですね。

動画 URL:https://youtu.be/QRVqV20dyZc?list=PL4SLxb31faRKyDCwrGG2u_2IWVmuYjh1I

 

関連記事

コメントを残す

*