2017/05/18

『サービス付高齢者向け住宅』で有効活用を行うために必要な事【相続対策ch】やってはいけない#16

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弊社では普段からお客様(おもに地主さん)の相続対策や収益アップのため、土地活用の相談を受け、さまざまな有効活用をご提案してきました。また、収益性だけでなくリスクを抑えることを重要視してきましたので、「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」の前制度である高齢者専用賃貸住宅(高専賃)の有効活用についても当初から否定的な立場を取っていました。結果、やはり高専賃での有効活用はうまく行きませんでした。
当時、高専賃を積極的に推進し、デイサービスとの組み合わせで次々と提案し戸数を伸ばしていたトップクラスの事業者も倒産し、高専賃を建築した多くの地主さんが後継テナント探しに苦労しました。
「サ高住」の有効活用についても、この制度ができた当初(2011年)から、安易に建築してはいけないと警鐘を鳴らし、セミナーでは「サ高住」の有効活用はやめた方がいい!というテーマでお伝えしてきました。
週刊ダイヤモンド誌をはじめ、いくつかの業界紙などでも取り上げられた実績もあり、弊社は「サ高住」の有効活用に警鐘をならしている第一人者であるとも自負しています。しかし、すべての「サ高住」有効活用を否定しているわけではありません。ただ、建てる側の地主さんのリスクがあまりにも高すぎる提案が多いのです。

首都圏で本格的な高齢化が進み、高齢者介護や住まいが大きな課題となっています。高齢者が安心して暮らせる住まいを準備することは必須ですが、現在の「サ高住」の制度(特に建築会社主導)で、増やすとなると、地主さんが負うリスクが高すぎると考えています。

とはいえ地主さんにとってアパートやマンションが供給過剰となっている中、土地の有効活用も難しくなっていますので、「サ高住」でも良い内容であれば検討する価値はあります。
そこで、「サ高住」を有効活用する場合のポイントについても紹介しておきます。

・運営事業者選び
落とし穴その1で解説した通り、介護事業者次第で物件の評価が決まります。ほとんどの提案は建築会社から持ち込まれますので、建築費の問題だけでなく運営事業者の候補も少なすぎる場合がほとんどです。中立な立場で運営事業者が選べるアドバイザーを選べるかどうかが分かれ目です。

・資金計画、借入金の比率
もともとサ高住の有効活用は利回りが低いうえに、最近の建築費高騰でさらに低くなっています。全額借入では何かあったときに対応が取れません。自己資金が半分ほど入ればキャッシュフローが格段に良くなり、剰余金も貯まってきます。将来的なメンテナンス対応や万が一のリスク対応力も上がります。

地主さんは土地を売却せずに有効活用を目指します。しかし、有効活用を事業として捉えた場合、ほかに活用手段がない場合は土地に余裕があれば一部売却するなどして、まずは借入を減らすことを考えるべきでしょう。

次の代にできるだけ多くの資産を受け継いでもらえるよう、「土地を守るのではなく、財産を守る」と言う発想を持つことが大切です。

動画URL:https://youtu.be/wWK–vupM3U?list=PL4SLxb31faRLdf-1FvF3w91vnp_oaGMAG

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