2017/05/18

『サービス付高齢者向け住宅』の落とし穴その3【相続対策ch】やってはいけない#15

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前回動画に引き続き、「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」の有効活用におけるリスクについて解説します。

①税制優遇、補助金のメリットは大きくない!
「サ高住」建築を提案する建築会社の営業マンは、“サ高住は国の補助金や優遇税制があるので地主さんのメリットがとても大きいですよ”とアピールします。しかし、それだけの理由で「サ高住」を建てるほど大きなメリットはないでしょう。
例えば建築費の補助金は1戸あたり100万円出ますが、補助金もらうための仕様にかかるコストアップを少しカバーする、というレベルです。補助金を考慮してもそんなに高い利回りにはなりません。逆に補助金をもらわずに建築費を抑えた方が利回りが高くなると言うケースも、数件ありました。
税制優遇ですが、本来の登録基準では共用部分を含め25㎡以上、専有部分は18㎡以上あればOKですが、部屋を広く、専有部分を25㎡にすることで、所得税と法人税の割増償却が可能です。また、共用部分を含め30㎡以上あれば固定資産税が5年間3分の1になり、不動産取得税が免除されますが、建築コストのアップを考慮すると実際のメリットはあまりありません。

②「サ高住だから駅から遠くても大丈夫」ではない!
建築会社の営業マンは、サービス付き高齢者向け住宅は、駅から遠くても大丈夫と言いますが、有料老人ホームなどを運営している介護事業者さんは、介護スタッフの通勤の問題上、この理屈を否定しています。実際、供給が増えればやはり利便性の良い物件が選ばれるでしょう。

③家賃保証といっても安心できない!
別動画『サブリース問題、「30年一括借り上げ」の甘いワナ』でも解説していますが、サブリース、家賃保証はまったく安心はできません。家賃保証は、一定期間の家賃収入の保証はありますが、必ず家賃改定の条項があり、家賃値下げは避けられません。オーナーが値下げに応じない場合、契約が解除できる条件がほとんどです。特に「サ高住」の場合、“保証家賃を下げてもらわないと運営ができません、撤退します”と言われたら、受け入れざるを得ないオーナーさんがほとんどではないでしょうか?

④供給過剰になるまで、供給は止まらない!
サービス付き高齢者向け住宅の場合、登録は必要ですが、「サ高住」に総量規制はないので、作ろうと思えばいくらでも作れます。毎年確実に戸数が増加しており、2015年6月末現在の登録数は、181,083戸。国交省は60万戸の整備目標を掲げていますので、まだまだ供給は続くでしょう。この流れは供給過剰になるまで続くと思われます。
すでに問題も起こっています。都道府県別の登録状況をみると、大阪府の突出具合が異常です。大阪府の75歳以上人口が東京都の約73%のところ、登録戸数は東京都の2倍近くあります。これは生活保護受給者をはじめとする低収入層にターゲットを絞り、介護サービスを自己負担額のギリギリまで使わせる「貧困ビジネス」にサービス付き高齢者向け住宅が利用されているからとの噂もあります。実際こうした「囲い込みモデル」が問題となり、2015年4月からの介護報酬の改定で「サ高住」に併設、または隣接する訪問系の介護・看護事業所のサービスについては介護報酬を減算する仕組みが新たに作られました。
やはり、サービス付き高齢者向け住宅の有効活用には、注意が必要です。

動画URL:https://youtu.be/8Fq3J2Y7_bA?list=PL4SLxb31faRLdf-1FvF3w91vnp_oaGMAG

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