なぜ地主さんは、安易に全額借入でアパートを建てるのでしょうか?
空地にしておくのがもったいないから…
駐車場が空いてきたから…
収入を上げたいから…
相続対策になるから…
家賃保証(サブリース)があるから…
みんなやっているから…
建築会社等の業者さんに提案されたから…
だいたいこんな所ではないでしょうか? 中には“一生懸命やってくれる営業マンに断るのは申し訳ないから…”という人もいました。
視点を変えましょう。「なぜセールスマンは、全額借入でアパート・マンションの建築を提案」するのでしょうか? それは地主さんに決断させやすいのは、実は全額借入だからです。
本音は「全額借入では将来収支がまわらなくなるかも・・・」だとしても、先の話など知ったことではありません。全額借入で大丈夫ですよ言えば、地主さんにしてみれば手元の現金が減らない、建築資金のために土地を売る必要がない、などと建築の決断を後押しすることになるわけです。
30年一括借り上げのサブリースの仕組みも、“建てさせるための仕組み”と言ってよいでしょう。とにかく安心感を全面に押し出し、建築を受注します。リスク説明については皆無か、あってもほんの少しだけです。
早い話、建築会社やハウスメーカーは「建てること」が仕事です。相続対策のために建てましょう、相続税対策が必要ですよ、と相続対策を強調します。彼らにとって相続対策は「口実にしかすぎない」と対応すべき所ですが、多くの地主さんは業者さんの口車に乗ってしまいます。
なぜ地主さんは、間違った土地活用、相続対策に陥るのか? それは地主さんの気持ちと相続対策をビジネスにする“プレーヤー”の存在が原因です。
「相続税を減らしたい(節税したい)」→相続税の増税が拍車をかけています。
「土地を有効活用したい」→専門知識がない(それでもなんとかしたい)。
こうした地主さんの思いに対して、相続対策をビジネスにするプレーヤー=建築会社(ハウスメーカー)、不動産業者、保険会社、銀行・信託銀行、私達のようなコンサル会社、そして税理士さん。皆それぞれ今回の相続税増税を大きなビジネスチャンスと考えています。
実際のところ、プレーヤーの多くは相続対策を口実に自社商品を売っているに過ぎません。地主さんの「節税したい、儲けたい」という気持ちの隙にうまく入り込んできます。結局はうまい話に負けて、失敗してしまうのです。
動画URL: https://youtu.be/xrQIXe-gjzc?list=PL4SLxb31faRLdf-1FvF3w91vnp_oaGMAG