2017/05/18

相続税増税が賃貸住宅建築を後押し【相続対策ch】やってはいけない#3

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相続税の課税強化が今年2015年から始まりました。その影響で首都圏だけでなく、首都圏以外でも賃貸住宅の着工件数合計は2012~14年にかけて3年連続増加しています。昨年(2014年)、8%への消費増税前の駆け込み需要の反動で「一般住宅の着工件数」が大きく落ち込みました。そんな状況でも首都圏および全国ともに、「賃貸住宅(貸家)の着工戸数」は増加したのです。

今年(2015年)、相続税の最高税率の引き上げを含めた税率構造の見直しと基礎控除額の引き下げが実施され、基礎控除額は40%減少となりました。将来的に首都圏では課税対象者が2倍に増えるとも言われています。現在も人口が増加している首都圏で、相続税対策の賃貸住宅の着工増加は頷けますが、すでに人口減少に転じている地方圏においても同様の傾向(賃貸住宅の着工件数の増加)が見られたのは意外でした。個人的には、やはりサブリース、『30年一括借り上げ』の甘いワナが影響しているのかなと考えてしまいます・・・

・賃貸住宅の増えすぎを危惧!首都圏でも賃貸氷河期が来る理由
2014年の首都圏の賃貸住宅の着工戸数は、直近のピークだった2006年(162,728戸)の80%程度(2014年は125,200戸)、まだ心配はないと言う意見もありますが、私は間違った見方ではないかと考えています。

首都圏の10年後の人口の増加率が当時(10年前)と今では、大きく異なります。

現在の見通しでは、5年後(2020年)には、東京でも人口減少に転じます。それも単純な人口減少ではありません。前回動画の通り(https://www.youtube.com/watch?v=MMJSJ…

総務省の空き家調査(住宅土地統計調査)の結果が示すように、現在でも賃貸市場に出ていない空き家が沢山あり、その数だけ空室や家賃の値下がりで頭を痛めている大家さんも沢山います。2020年頃までは団塊世代を中心に住宅の購入がかなりの戸数続くでしょう。総務省の平成25年のデータによると、住宅を購入する人の約半分(53%)が、購入前は民営の賃貸住宅に住んでいますので、住宅が売れれば売れるほど賃貸住宅の需要は減少すると言う事になります。
一時的に需要が減っても次の世代の需要が増えるのであれば大きな問題はないでしょう。しかし、次に続く大きな需要層がいないのです。需要が減れば家賃は下がり空室が増えるのは当然です。

将来的に土地(住宅)価格は下がる可能性が高く、それだけでも家賃の値下がり要因です。アベノミクスが失敗に終わらなければ、東京五輪前までは大きな変化は感じられないかもしれません。しかし、2020年以降(特に2025年以降)、首都圏でも賃貸住宅市場は確実に“氷河期”へ向かっていくと思っています。

動画URL: https://youtu.be/WdG4svfO8iI?list=PL4SLxb31faRLdf-1FvF3w91vnp_oaGMAG

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