2018/06/12

借入金で賃貸マンション購入の相続税対策、総則6項適用(相続節税否認)事案が訴訟に発展!

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 以前、相続対策チャンネル動画、やってはいけない相続対策編#18『やりすぎ相続対策に警告!不動産を使った相続対策が否認された裁決事例』
で紹介した、「相続税の節税対策目的のために借入金で賃貸マンション購入し、評価通達に基づき申告したが、課税当局から総則6項*適用により更正処分を受け、これを不服として国税不服審判所に対して更正処分等の取り消しを求めたが、国税不服審判所は総則6項適用による課税当局の課税処分を支持する裁決を下された事案(※時系列は下記)」ですが、その後、本事案が訴訟(平成29年(行ウ)第539号・東京地方裁判所民事第38部係属)に発展したことが税務関係の専門誌等で伝えられ、税理士や一部の不動産関係者などの間では今後の裁判の行方(財産評価基本通達による相続税評価額と時価とのかい離を利用した相続節税策に対する総則6項の適用に裁判所がどのような判断を下すのか)に関心が集まっています。

 私はかねてから、節税だけを目的とした過度な借入による不動産購入は、家賃下落等による将来的なキャッシュフローの悪化懸念もあるので、慎重に行うべきと『やりすぎ相続対策』には警鐘を鳴らしてきましたが、今回の事案は、税務否認リスクの面からも不動産を使った相続税対策には注意が必要という事が、改めてクローズアップされるきっかけになると思います。

 本事案は、行き過ぎた”タワマン節税”に総則6項を適用する方針を国税庁が2015年(平成27年)後半に表明した後(平成28年4月27日)の更正処分であることからも、タワーマンションに限らず、不動産を使った”行き過ぎた相続税対策”には、今後このような事案(総則6項の適用による更正処分)が増えてくる可能性があるのではないかと思われます。
 
※上記事案出来事の流れ

平成20年 5月13日 :被相続人はA銀行に相続・事業承継について相談
平成21年 1月30日 :被相続人は銀行からの借り入れでB不動産を購入
平成21年12月25日 :被相続人は銀行からの借り入れでC不動産を購入
平成24年 6月    :被相続人死去
平成25年 3月 7日 :相続人がB不動産を売却
平成28年 4月27日 :総則6項適用より本件不動産を不動産鑑定評価(時価)
             により評価した価額により相続税の更正処分

*総則6項とは、財産評価基本通達 第1章総則6項(この通達の定めにより難い場合の評価)の通称です。
 この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する。

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