2013/07/15

第4回不動産を使った相続対策の注意点(特定NPO法人の「日本住宅性能検査協会」のコラムへの連載文より)

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前回は、地主さんへ提案が増えている“「サービス付き高齢者向け住宅」の有効活用の注意点について書きました。相続税対策として「サービス付き高齢者向け住宅」を建築するような方は、地主さんなど多くの土地(畑なども含む不動産)を所有している為、都市部の地主さんなら、課税資産総額が20億円以上と言った方は珍しくありません。

第一回目のコラムにも書きましたが、平成27年1日1日以降の相続発生より相続税の最高税率の引き上げ(税率構造の見直し)と基礎控除の引き下げが実施されます。

課税資産が20億円で、家族構成は父・母・子2人の場合、父が亡くなった場合(一次相続)の相続税は、4億3440万円(現行税制より+2490万円)、母が50%相続し課税資産が10億円で母が亡くなった場合(二次相続)の相続税は、3億9500万円(現行税制より+2400万円)となります。

 

 

単純計算ですが、課税資産20億円に対して、一次二次合わせると合計8億2940万円の相続税(現行税制より合計+4890万円)となり、トータルの税率(8億2940万円/20億円)は41.47%となり、何もしなければ財産の40%がなくなってしまいます。

そう考えると、なんとか相続税の節税をしなければと考えてしまいます。また土地を持っている為、なんとか有効活用ができないかと考えているところへ、

「アパートやマンションを建てましょう。」「サービス付き高齢者向け住宅を建てましょう。」「相続税が大幅に節税できますよ」

という甘い言葉に惑わされて、安易に(建ててはいけない場所やサ高住の真のリスクに気づかずに)全額借入で建築を行い、相続税の節税には成功しても相続後に借入負担によるキャッシュフロー悪化により財産を減らしてしまっては何の為の相続税対策だったのか、やらない方が良かったという事になってしまいます。

その辺の事は、第1回目から3回目にも書きましたので、今回はもう少し課税資産の少ない方にターゲットを絞った話を書いてみます。

今回の税制改正の影響は、さきほどの20億の相続税の計算では、一次相続では+2490万円でした。4億3440万円を払う人にとって+2490万円(増加率5.7%)が、巷のセミナーで大げさにいう程、そんなに大増税でしょうか???もともと税負担が大きいので・・・

それより、基礎控除の引き下げにより今までは相続税がほとんどかからなかった人、例えば、現行税制では上記の家族構成で課税資産が8000万円までなら相続税は非課税でしたが、27年以降は175万円,課税資産が1億円の場合、現行税制での一次相続税は100万円だが27年以降は315万円となり、増加率では315%(約3倍)と言うことになります。

そこで、そういう層の(相続税が心配で少し資金のある)高齢者の方向けに不動産会社などが、ワンルームマンション投資を勧めているケースが増えてきているようです。

老後の年金の足しになり相続税対策にもなると言う事で、最近はセミナーも増えているようです。

サービス付き高齢者向け住宅活用の注意点の記事に続いて、ワンルームマンション投資の注意点について週刊ダイヤモンドさんから取材を受けました。

地主さんが相続対策でアパートを建てるのも同じ事ですが、借入が多すぎると後々家賃の下落や空室によりキャシュフローが悪くなり、投資回収ができなくなります(7月8日に発売となった週刊ダイヤモンド2013/7/13『狙われる老後のカネ』号p38~p39に事例収支が掲載されていますが、本コラム公開時点では転載不可につき後日UPさせていただきたいと思います)。

人気エリアの好立地の中古マンションを余裕のある自己資金購入するのであれば、相続税効果も取れ、収入も増加するので、それはそれで“有り”だと思います。物件選びさえ間違わなければ大きな失敗はしないでしょう。

しかし、巷で行われているマンション投資セミナーの多くは、借入でどんどんワンルームマンションを買うように勧めますので本当に注意が必要です。借入を主体とした賃貸不動産経営はそんなに甘いものではないと言う事を肝に銘じて欲しいと思います。

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