2017/05/18

遺留分の額の算定は難しい【相続対策ch】遺言遺産分割#10

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相続財産が現金、預貯金のみで金額がはっきりしている場合は、相続財産の総額に遺留分の割合を掛け合わせるだけで遺留分の額は簡単に計算ができます。しかし、不動産なども含まれている場合が多く、そう簡単にはいきません。生前贈与が多い場合なども遺留分の計算は複雑です。

最高裁判所の提示した遺留分の計算方法は、
「遺留分の侵害額は、被相続人が相続開始時に有していた財産の価額にその贈与した財産価額を加え、その中から債務の全額を控除して遺留分算定の基礎となる財産額を確定し、それに法定の遺留分割合を乗ずるなどして算定した遺留分の額から、遺留分権利者が相続によって得た財産の額を控除し、同人が負担すべき相続債務の額を加算して算定する。」とあります。
わかりやすく解説すると、
•被相続人が亡くなった時点で持っていた財産に、生前贈与した財産を加え、
•相続人に借金があった場合には、そこから借金を差し引き
•遺留分を計算する相続財産の額を確定し
•遺留分割合を掛け合わせた額を算出し
•そこから、遺留分を請求する人が相続や生前贈与によって得た財産の額を差し引き
•遺留分を請求する人が相続によって引き継ぐことになる債務を加算して遺留分の額を計算する

…とはいえ、その遺留分を計算する相続財産の額を確定するのがなかなか大変なのです。その理由として、相続税の計算は財産評価基本通達に基づいた相続税評価額がベースとなりますが、遺留分の計算は時価が基本となります。例えば、相続財産に不動産が含まれる場合、不動産の相続税評価額は、時価とはかなり異なっている場合が多く、相続人の立場により見方が異なり、双方で不動産鑑定を取っても鑑定評価額が一致することもまずありません。

動画URL:https://youtu.be/pC-5lUm41_s?list=PL4SLxb31faRJdr1V3gaOok6VNjjSAMrck

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