「遺言と相続分」について
(船井財産コンサルタンツ高松 教えて!美佳先生より)
この遺言と相続分についても、前回同様「民法」の知識が必要になってきます。
相続が発生した場合には、相続財産は相続人全員に相続されます。そこで各相続人の権利の割合(取り分)=「相続分」という問題が出てきます。「相続分」については「法定相続分」と「指定相続分」に分けることができます。
T.「法定相続分」・・・遺言による指定がない場合には、以下のような割合になります。
(1)子と配偶者が相続人・・・子1/2&配偶者1/2(注1)
(2)直系尊属と配偶者が相続人・・・直系尊属1/3&配偶者2/3
(3)第三順位・・・兄弟姉妹1/4&配偶者3/4(注2)
子・直系尊属・兄弟姉妹が複数の場合にはそれぞれ等しい割合でさらに分けます。
ただし、以下の注意点があります。
注1)子のうち非嫡出子は嫡出子の相続分の1/2です。
注2)被相続人の兄弟姉妹のうち、片方の親しか同じでない「半血兄弟姉妹」の相続分は両親とも同じ兄弟姉妹の相続分の1/2です。
例1)「夫婦と実子2人」のケース
配偶者・・・1/2 子A・・・1/2×1/2 子B・・・1/2×1/2
例2)「夫婦と父母」のケース
配偶者・・・2/3 父・・・1/3×1/2 母・・・1/3×1/2
例3)「夫婦と兄妹2人」のケース
配偶者3/4 兄1/4×1/2 妹1/4×1/2
U.「指定相続分と遺言」・・・遺言によって被相続人が指定したことによる相続分を「指定相続分」といいます。上記のT「法定相続分」が一般的に有名ですが、実は遺言によって違う指定をすることも可能なのです。
遺言の内容はいろいろな利害の対立も生みやすいので厳重な方式が定められています。
「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3方式が一般的です。ただし、遺言できる人は15歳以上であるだけではなく能力の問題もありますので注意してくださいね。
「遺言」で財産を与えることを「遺贈」といいます。「遺贈」には「包括遺贈=財産の何分の一という割合で決めたもの」と「特定遺贈=○○の財産という特定の財産を指示したもの」があります。もちろん、相続人以外の人にも「遺贈」することは可能です。相続人の「遺留分」(注3)に関する規定に違反しないように気をつける必要があります。(後々訴訟に及ぶことも?)
注3)遺留分は以下のとおり
(1)配偶者のみ・配偶者と子・子のみ・直系尊属と配偶者が相続人・・・1/2
(2)直系尊属のみ・・・1/3ということは、遺言によって自由に処分できるのは、(1)の場合は1/2まで、
(2)の場合は2/3となりますね。
第4回、相続税申告スケジュールは
相続マニュアル−相続開始後のタイムスケジュールを参照下さい。
次回は「相続申告時等に必要な資料」についてです。
船井財産コンサルタンツ高松(みどり合同経営) 税理士 国方美佳
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