思い切って土地編重の資産構成を変えよう
これまで日本は「土地さえ持っていれば、何があっても大丈夫」という土地神話がありました。このため、資産といえば土地を指し、資産家は土地持ちを意味してきました。資産家ではない一般の人たちも「自分の家が持てれば一人前」という価値観から、マイホームを求めてきました。
「(収益を上げない)土地は資産ではなくなった」という変革の時代を迎え、資産=土地という考え方を変える必要があります。一つはっきりしていることは、ムダな不動産を持つ時代ではないことです。所有する土地の広さだけを自慢することは愚かなことです。問われるのは、その土地をいかに活用しているかです。
表現を変えれば、何の収益を上げない1000坪の土地を持っている人より、毎年500万円の収益を上げる50坪の土地を持っているほうが資産家なのです。
いま、本物の資産家になるために一番重要なことは「収入を増やす」ことです。私たちは「収入が総資産の10%を目標にすること」を提案しています。
長年、日本人が土地神話を信じてきたことは、日本人の資産構成に端的に表れています。
バブル当時、日本人の資産構成(相続財産)は72%が土地建物で、有価証券が14%、現・預金が8%、その他(生命保険、美術品、貴金属)など)6%と、不動産が7割以上を占めていました。一方、欧米人の資産構成を見ると、土地建物40%、有価証券・現金 25%、その他35%とバランスがとれています。
私たちは欧米型の資産構成に近づけることをお勧めしています。それには理由があります。この資産構成が、地価の下落で大きな問題を起こしているからです。地価が下がり続けたことで、土地建物が占める割合は64%に下がり、資産規模が縮小してしまいました。これは資産=土地という価値観にとらわれ過ぎた結果です。バランスのとれた資産構成であれば、どんな時代にも適応でき、リスク分散にもなるはずです。
もちろん、その原因はデフレにあります。これまで日本経済はインフレを克服して成長してきましたが、今回、日本経済にもデフレが襲うことがわかりました。土地神話はインフレから資産を守る知恵だったのですが、はじめて経験する本格的なデフレ経済では、マイナス価値しか持たなくなりました。
私たちは資産の構成から、「この人は、これ以上、不動産を増やしてしまうと相続税が支払えなくなる、物納できる不動産がなくなる」と判断した場合や、「この不動産投資は利回りが高い」というときでも、「この人は、これ以上借金を増やすと、返済負担が重すぎる。金利上昇リスクに耐えられない」というケースでは、「この資産活用はあきらめましょう」とアドバイスします。
土地を持つ人は資産家といわれていますが、本来、投資家であるべきです。しかも、投資せずに、すでに土地を持っている恵まれた投資家なのです。しかし、資産のほとんどが土地という人は、不動産意外に投資することに強い抵抗感を持っています。この感覚を取り除くことが、資産を守る第一歩といえます。
値下がりする不動産は早く処分する
「土地の価格は、もう値上がりすることはない」という判断に立ったとき、どうすれば持っている土地の、資産価値を守ることができるのでしょうか。
時間がたつとともに持っている土地の価格が下がるのですから、@地価の下落をカバーできる活用法を見つける、A納税予定地として確保しておく、Bその土地の活用法がなく、ほかに納税予定地を確保しているときは、その土地を売却して売却代金で高い収益が見込める不動産を購入する ( 資産の組み替え ) 、C売却代金を利回りが高い運用先に投資する、という選択肢があります。
@は土地の評価額と投資額の合計で利回りを考えなければなりません。建築への投資額だけで利回りを検討するだけではいけません。そのときに、利回りの効率がよくないと判断した場合は、A〜Cの方策を検討することになります。
Aは問題が少ない相続対策です。ただし、固定資産税の負担や、維持するための労力と費用がかかりますが、それは「何もしないことがベストの方法」と割り切るしかありません。
BとCを決断したときは、できる限り早く手を打つことです。
たしかに、土地を処分することには抵抗があると思います。周囲から「先祖、親が苦労して手に入れた土地を手放すのはけしからん」という非難をうけることもあるでしょう。しかし、「いまの時代は、土地を守ることが資産を守ることではない、形を変えても資産を守ることが私の責務だ」と自分に言い聞かせてほしいのです。
また、時代が変わる予兆があれば、運用して増えた現金なり、高収益物件を活用して、値上がりが期待できる土地を購入することを考えてもいいでしょう。
いま、バブル期に投資用不動産を購入した人は、 100 %近い人が値下がりに直面して頭を抱えているはずです。
株式投資の世界には損切り≠ニいう考え方があります。これは値下がりした株を持っている場合でも、その株を売らなければ損は表面化しませんが、いわゆる含み損を抱えることになります。しかも、資産を塩漬けしてしまうことになり、他に運用できなくなります。
そこで、損を覚悟で売却し、手にした現金で新しく運用する考え方が損切りです。 500 万円で買った株が 100 万円に値下がったとき、売らなければ 400 万円の損は現実のものになりません。「配当があるから、株価が買値を超えるまで待とう」という考え方の個人投資家は多いでしょう。本当の投資家は「 100 万円を塩漬けするより、 100 万円で新しい株を買ったほうが損を取り戻せる」と考えます。そして、 100 万円で買った株が 300 万円に値上がりすれば、損を 200 万円少なくすることができる、というわけです。
この考え方を、不動産活用にも使いたいものです。土地資産家も損切りを理屈ではわかっていても、なかなか踏み切れないのが実情です。しかし、資産を守るためには素直≠ノなることです。現実から逃げてはいけません。
損切り≠ヘけっして消極的な行動ではありません。 5000 万円で購入した投資用マンションが 3000 万円に値下がりをして、賃料の低下で利回りも下がっているとき、そのままにしておくことが一番消極的であり、問題の解決にはなりません。 3000 万円で売れたことをラッキーと思い、現金 3000 万円の活用法を考えることは積極的な資産防衛になります。
投資用不動産を購入した人は、いつも購入代金が頭にあって、「損をしてまで売りたくない」という気持ちがあります。その発想を払拭しなければ、これからの時代、資産は守ることはできません。「損して得を取れ」という前向きの発想に切り替えることができる人が、この時代に資産を守り、増やすことができるのです。
借入金をおこして不動産に投資をしているとき、物件は値下がりしていても、借入金返済後の実質利回りが1〜2%あれば、「銀行に預金するよりまし」という考えで、購入した不動産を持ち続ける人が多いと思います。
たしかに、現時点では、その判断は成り立つでしょう。しかし、いまの超低金利が異常なのであって、今後、金利は上昇すると考えるのが常識的な判断です。金利が 1.0 %上がれば、返済額の負担増で実質利回り1〜2%はほとんどなくなり、赤字のケースがかなり出てくると思われます。そのとき、「これでは投資をしている意味がない」とはじめて実感しても、すでに手遅れです。マンションを売却しようとしても、相当値下げをしなければ売却できなくなる可能性は大きいのです。
損をすることがわかっていても、できるだけ早く手を打つことが資産防衛になるのです。
収益不動産があるときは同族法人をつくる
もちろん、すべての土地活用が失敗しているわけではありません。圧倒的に数は少ないけれど、高い利回りで土地活用している土地オーナーもいます。そうした人たちの悩みは、「不動産収入が多く、累進課税で所得税がバカにならない」といううらやましいものです。それでも、その人たちにとって所得税の負担は深刻な問題です。
こうした場合、当面の所得税対策と将来の相続税対策を同時に解決するのが、不動産事業を目的にした同族法人をつくる方法です。すでに同族法人を持っているときは、定款を変更して営業目的に不動産事業を追加します。
※同族法人=配偶者、六親等以内の血族、三親等以内の姻族などが過半数の株式または出資金を持つ会社
以下、実例に沿って、その効果を説明していきます。
第五章で紹介した K さんの続きです。
私たちは K さんが所有する市街化農地を都心のオフィスビルに組み替えるとともに、所得税対策、相続税対策として同族法人を設立することを提案しました。
所得税対策としての効果は、
@Kさんの家族が出資して同族法人 ( 不動産管理会社 ) を設立する。都心のオフィスビルの建物は同族法人名義にしてKさんと同族法人の間で、定期借地契約を締結する。
Aオフィスビルの賃料の2600万円は同族法人の売上げになり、同族法人は地代をKさんに年額300万円支払い、家族を役員にして給与を支払う。それぞれが給与所得になることで所得の分散を図るとともに、Kさん自身の所得税も軽減される。
もし、Kさんが亡くなり相続が起こったときは、定期借地権が設定されているオフィスビルの敷地の底地を物納します。物納された底地は借地権を持っている法人以外の第三者に売却されることはまずありません。地価が下がり、同族法人の内部留保ができたとき、国から底地を買い取ればいいのです。その結果、オフィスビルの敷地、建物ともに同族法人名義になります。土地も建物も同族法人名義になれば、当然、相続財産ではなくなります。
しかし、やみくもに同族法人をつくればいい、ということではありません。
法人設立は、その目的が収入確保と所得の分散にあるわけですから、きちんと収益が上がる事業であることが前提になります。
また、出資者(株主)の構成もポイントです。現在の不動産所有者が大株主になると、相続のときに問題が起こります。収益を上げている同族法人の株式は高く評価される例が多いので、相続財産が増えてしまうからです。また、妻 ( 配偶者 ) を大株主にしたときは、妻が亡くなった二次相続では配偶者の税額軽減が使えないので、やはり、相続税対策になりません。賢い方法は、この法人を承継するお子さんを株主にすることです。
※定期借地権= 1992 年 8 月に施行された新『借地借家法』によって制度化されました。
前項のケースで、Kさんと同族法人との間で定期借地契約を結ぶのは、Kさん名義の底地権を誕生させるためなのです。
もちろん法人の設立については、専門家と相談して慎重に決断することはいうまでもありません。
事業用資産の買換特例を活用した資産の組み替え
収益性の低い土地は「事業用資産の買換特例」を使うことで、収益性が高い資産への組み替えが容易になります。
「事業用資産の買換特例」は、譲渡資産の譲渡益のうち、買換資産に対応する部分の 80 %について課税が繰り延べされる制度で、 2006 年 12 月までの時限立法が 2008 年 12 月まで延長されました。
まず、「事業用資産」の意味ですが、これは 10 年を超えて所有し、かつ事業を営んでいる不動産に限られます。事業というのは農業でも工場でも、駐車場、賃貸マンションでも、その土地を使って売上げがあればいいのです。また、「買い換え」は、売却代金で別の事業用不動産を購入することが条件になります。
課税が繰り延べされるということは、売却時点では譲渡益のうち買換資産に対応する部分の 80 %について課税が繰り延べされますし、残りの 20 %に対して譲渡所得税率 20 % ( 地方税を含む ) で課税されますので、譲渡所得に対する実質税率は 4.0 %ですみます。(ただし、買換取得した物件を将来、売却したときは課税が繰り延べられた 80 %分が加わって課税される)このため、特例を使わない場合に比べて、手元に残る現金が多くなるので、価格が高い物件でも購入しやすくなります。
この特例が土地オーナーにとって使いやすいのは、売却する事業用不動産も購入する不動産も、場所を問わないからです。
郊外の広い農地を売却して、都心の賃貸ビルを購入すれば、高収益物件に組み替えできるだけでなく、ケースによっては小規模宅地による評価減の適用が受けられ、相続税対策にもなります。
資産組み替えを実例を紹介します。
Lさんは市街化農地 (500 坪 ) の有効活用を考えました。農業収入は年間 120 万円しかなく、固定資産税も宅地並み課税のため、ほとんど手取りがないのと同然だったからです。Lさんは「近所で、みんながやっているのだから大丈夫だろう」と考え、すでに一ヵ月後には請負契約をする段階になっていました。
話を伺い、調査した結果、私たちは「そのマンション建設計画は中止してください」とアドバイスしました。
対象の農地は最寄り駅からバス 15 分で、賃貸マンション立地としては適していないことが最大の理由であり、空室リスクはかなり高いといわざるを得ません。また、賃料収入を保証する一括借り上げ会社との契約期間も 5 年間という短いものでしたので長期安定した「賃貸事業」に不安があったのです。
不動産証券化の仕組みとそのメリット
かつて抵当証券を購入し、その後、利払いや償還が実行されず、大損をした人も多いことでしょう。このため、不動産に関連した証券投資はイメージが悪くなっていますが、ここで紹介する不動産証券化商品は抵当証券とは仕組みがまったく異なり、いま注目を集めている投資商品の一つです。
私たちはこの不動産証券化が、今後 5 年、 10 年のうちに、不動産流通の本流になると大胆な判断をしています。
不動産証券化の仕組みは、次のようになっています。
@企業あるいは個人が所有する不動産を特別目的会社(SPC)などのSPV(投資ヴィークル)に売却する。
ASPVは対象不動産を裏付けにして有価証券(不動産証券)を発行し、投資家からの出資(エクイティ投資)と不動産担保ローンや社債発行で得た資金で不動産を買い取る。
BSPVは、対象不動産から得る収益(賃料など)を原資にして配当を行なう。
いま、不動産証券化が盛んに行なわれているのは、企業がSPCに所有不動産を売却したあとでも、当該不動産を賃借することが可能で、さらに、その企業自らのバランスシートから当該不動産をはずすことができるからです。企業にとっては、所有する不動産の価格が下落する前に現金化することができ、しかも同じビルや店舗を使うことができるというメリットがあります。このため、KDDI本社ビルやあおぞら銀行本店、東武百貨店池袋店などが証券化されました。
最近、不動産証券化関係の法制度も整備され、個人が安心して投資できる環境もつくられています。たとえば、「特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律=資産流動化法(いわゆるSPC法)」は本来、金融機関の不良債権処理の一つの方策として制定されましたが、不動産の流動化を促進する内容にもなっています。
不動産証券化商品の代表的なものが、日本版不動産投資信託といわれるJ -REIT (ジェイリート)です。 2000 年に施行された改正投資信託法によって、それまで投資信託は有価証券しか運用対象にならなかったものが、それ以外の資産に投資できるようになりました。中でも不動産を運用対象にした不動産投資信託がアメリカの不動産投資信託( REIT )に似ているということで、日本版 REIT ( J-REIT )と呼ばれています。
J-REIT の仕組みは、投資家から集めた資金(ファンド)で賃貸オフィスビルや賃貸マンションを購入し、その管理・運営で得た収益を投資家に配分するというもので、大きな仕組みは次節の不動産共同所有に似ています。また、不動産投資信託は投資家の換金ニーズに応えるため、証券取引所に上場することで、一般の上場株式と同様に証券会社を通して売却できるという点も特徴的です。
このため、個人でも 50 万円単位の金額で、株式を買う感覚で不動産証券化商品を購入できるようになったわけです。
上場されているということは、逆に市場の価格変動のリスクもあるということです。しかし、 J-REIT は比較的安定した配当が期待できることから、国債など債券のように、価格が下がったときは配当利回りが上がり、配当利回りが下がったときは価格が上がることが考えられるので、その分、リスクは少なくなると思われます。
この J-REIT への投資も身近な資産組み替えの一つとして検討されてみてはいかがでしょうか。
不動産特定共同事業で高収益資産への組み替えが可能に
好立地・高利回りで安全確実な不動産投資をするためには、高額な資金が必要になります。一個人の負担では実行不可能な場合も多いものです。不動産特定共同事業法に基づく不動産の共有システムに参加することで、一個人の負担を少なくして、大型物件への投資が可能となるわけです。
不動産特定共同事業とは、投資家から金銭や不動産の出資を受けた許可事業者が、当該不動産の売買や賃貸事業などで得た収益を投資家に配当のかたちで還元する仕組みをいいます。(配当を受ける投資家やオーナーは任意組合あるいは匿名組合をつくりますが、任意組合には現物出資型と金銭出資型があります)
そこで、許可事業者のもとで投資家たちが任意組合をつくり、一つの不動産を共同で所有し、その運用収益が分配されます。共同所有の形態をとれば、一般に、より少額の資金で大きな優良物件への投資が可能となります。
このため個人ではなかなか購入できない高額の高収益不動産でも、他の投資家と一緒に組合をつくり、共同で所有することで、高収益不動産への投資が可能になります。簡単にいえば、高収益が期待される優良な大型不動産は高額で、個人ではなかなか買えませんが、多くの人が資金を出し合い、共同で取得するという形をとることで、その目的が達成されることになるわけです。
いままで所有していた事業用不動産の売却代金をこういった不動産特定共同事業で運用すれば、事業用資産の買換特例の適用を受けることが可能です。
共同で所有すること、すなわち投資家がつくる組合が任意組合の場合、税務上、投資家個人が実質的に不動産を所有していると見なされます。すなわち貸家建付地、小規模宅地としての相続税評価額の評価減も利用できることになります。
不動産特定共同事業に投資を考えるときのポイントは、投資家がつくる組合が任意組合なのか匿名組合なのかに注意する必要があります。つまり、そこから得る収入が不動産所得なのか、雑所得なのかをよく理解して投資する必要があります。ちなみに大手不動産会社が募集する不動産特定共同事業の商品は匿名組合型(収入が雑所得として扱われる)が多いようです。
不動産特定共同事業に基づく商品のメリットは、次のようになります。
@事業許可会社が、その洗練された投資判断力に基づき安定した利回りが維持されることが見込まれる。
A投資家は自ら不動産の管理・運営・維持をする必要がない。
Bサブリース会社が一括借り上げをするので、長期間、比較的安定した収入(弊社の場合、税引前の手取り利回り5%前後の実績)が見込まれる。(ただし、2年ごとに賃料の改定がある)
C換金が必要になったときは、組合員としての地位を譲渡することができる。
D弊社の場合、将来予想される修繕費用は毎月の賃料収入から一定の金額をプールしていくため、いざというときの修繕負担が少なくすむことになる。
E不動産税制が使えるため、不動産所得として申告することになる。(建物部分は減価償却費の経費計上も可能)
一方、注意点は、
@一般投資家向けに販売される商品以外は、特定の人たち向けに販売されるので、情報が少ない。
A不動産を購入することと同じなので、取得した不動産の価格変動は避けられない。つまり元本の減少リスクは投資家の自己責任となる。資金を借り入れて投資することは、あまりお勧めしない。
Bまだ一般流通市場が成熟していないため、換金がスムーズに運ばないときがある。
C事業許可会社が倒産したときは、他の信頼できる事業許可会社に代わってもらうことになる。
D共同所有分を担保にできない。
E組合が多数決で不動産の売却と解散を決定したときは、従わなければならない。
などがあります。
この不動産特定共同事業法に基づく不動産の共同所有は、有力な資産運用先になっています。
私たち青山財産ネットワークスも、青山財産ネットワークスの不動産共有システム「ADVANTAGE CLUB」(アドバンテージ・クラブ)を開発しています。これは弊社を任意組合の理事長として、サブリース会社に不動産の管理運営を委託し、投資家は収益を分配金として受け取るというもので、投資家は金銭出資型の任意組合をつくります。
2003年8月に発売した日本橋ビルは、一口1000万円で投資家を募集しました。投資家は2ヵ月ごと、年6回分配金が受け取れ、賃料保証による利回りは税引前で年 5.2 %に設定されています。
大手不動産会社も一般投資家向けに不動産特定共同事業商品を販売しています。一口 100 万円単位で数百億円の資金を集め、賃貸オフィスビルを購入、運用収益を配当還元するというケースが多いようで、利回りは預金金利をやや上回る程度になっています。
資産運用のリスクを少なくするには、一ヵ所の不動産に資金を集中させるのではなく、いくつかの不動産に分散させることです。それによって、投資利回りや不動産価値の変動を平均化させることができます。