もう日本の土地価格は値上がりしない
バブル経済崩壊以降、日本の土地価格は10年連続で値下がりし、バブル時の半分までになっています。地価の下落傾向はいつまで続くのでしょうか?
私たちは「これからの日本の土地価格が値上がりすることはない」と考えています。それは、短期的には景気低迷が続き、長期的には日本が「人口減少時代」を迎え、「不動産過剰供給」の時代に入ることは間違いないからです。どう見ても、今後、土地が値上がりする要因はないと思われます。
土地が値下がりを続けるということは、何を意味するのでしょうか?一言でいえば「土地が資産ではなくなる」のです。言葉を換えれば「土地本位制の崩壊」といえます。これまで財産価値は所有する土地で評価され、土地を持っていれば財産価値が増え、お金を借りるときには土地が担保になりました。
しかし、土地価格の下落によって「土地さえもっていなければ安心」という時代は過ぎ去りました。「土地は資産」と信じてきた人や会社にとっては、苦しい時代を迎えることになるでしょう。でも、失望することはありません。それは同時に、「日本の新しい時代のはじまり」でもあります。これからの時代、土地所有者がまったく新しい考え方で土地問題に取り組むことで、明るい見通しが持てるのです。
土地に頼らない資産形成を
かつて、「土地は必ず値上がりする」という不動産神話が生きていた時代は、不動産を積極的に活用しなくても、たとえ遊休地であっても、資産価値が上がっていきました。そのため、不動産を所有していれば確実な資産として認められていました。
いま、土地所有者にとって一番の問題は、地価の下落によって土地を所有する有利性が大きく減少していることではないでしょうか。地価の下落は土地の財産価値を目減りさせるだけでなく、土地を所有すること自体が財産維持のリスクになる可能性もあります。地価が上がらない時代に何の対応策もとらなければ、土地所有者は滅びていくしかありません。
もちろん、「資産の目減りを避けるため、すべての土地を売ってしまいなさい」といっているのではありません。新しい時代に対応した不動産活用の知恵とは、「リスクが少ない土地活用」です。資産形成の発想を、資産の絶対的価値を増やす「値上がり」に求めるのではなく、資産活用という観点から「投資利回り」に切り替えることで、新しい展望が開けてくると思います。
利益を生まない土地は持たない
まず、不動産を評価するポイントを「値上がり期待」から「収益確保」に置きます。その考え方から、あなたが所有する不動産を客観的に評価して、「必要のない土地」や「収益が上がらない土地」をチェックします。収益性が低い土地は賃貸物件を建てたり、収益性がよい土地を買い換えるなどの対策によって、「生きた不動産」に生まれ変わらせることを考えましょう。
私たちは「10(イチマル)コンサルティング」を提案しています。これは課税資産額に対して10%の収益率確保を目標にした収益アップ対策です。それには
@不動産活用
A好立地不動産の購入や買い換え(組み換え)
B共有システムを利用した事業用資産の買い換えなどがあります。
現状のまま対策を講じても高い利回りが期待できないとき、私たちは「この土地の活用は簡単ではありません。売却することも考えていかがでしょうか」と提案することもあります。それが、責任あるコンサルティングだと信じています。