強まる地価の四極化
いま、不動産市況は四つに分類できます。
売り手市場の超一等商業地や優良住宅地で値上がり傾向にある地域です。 東京の松濤や麹町のように高級住宅地としてのイメージが定着している地域や、近くに新駅が完成して街のビジネス化が進んだり、大規模再開発や人気を集めてる店舗が集まったことで、街のイメージが一新された地域が該当します。あるいは銀座、新宿といった日本を代表する商業地域です。しかし、同じ地域の中でも値上がりしているのは立地に恵まれている希少価値の不動産です。
ただ、値上がり傾向にあるといっても、これまでの価格下落に対してV字型になるほど急激に値上がりするわけではありません。横ばいをやや上回る程度と考えた方がいいでしょう。
準一等商業地や準主要駅徒歩10分圏内の住宅地です。東京でいえば、山手線の瀟洒な住宅地になります。土地価格が横ばいであれば、資産の目減りを心配する必要はありません。あとは投資利回りで、事業用不動産として保有を続けるか、あるいは投資先とするかどうかを判断します。
ただし、こうした地域の地価は、景気がさらに落ち込めば、たちまち値下がりに転じます。その意味では「弱含みの横ばい」といえます。逆に今後も値下がりする可能性が少ない「強含みの横ばい」を示している地域は、ほとんどありません。
郊外商業地や住宅地では、地価の下落がとまりません。多くの土地は、この弱含み相場に含まれます。こうした、地域の不動産は、買い値がつくいま、早急に土地の有効活用を決断することをお勧めします。その場合、早めに手放すことが資産を守る賢い決断になるケースもあります。
1〜3以外の商業地や住宅地で、さびれた商店街や郊外駅からバス便を使う住宅地になります。土地価格がつかず、売りたくても売れないのが現実です。はっきりいって、資産価値がゼロに近いといってもいいかもしれません。こうした地域で不動産を所有している人は、土地を売却してほかの資産に組み替えることを真剣に考えてみてはいかがでしょうか。